数々の賞を受賞したドキュメンタリー映画『GENERAL MAGIC』は、これまで語られてこなかった、素晴らしいビジョンと壮大な失敗が世界をどのように変えたかについての物語です。
私たちの日々の生活に密接に関わるデジタル機器についてのアイデアが、1990年にアップルから「次の大きなもの」を生み出すためにスピンアウトした、シリコンバレーの新興企業で生まれました。初代Macintoshを開発した伝説的なチームのメンバーと、後にiPodやiPhone、Android、eBayを生み出すことになるメンバーら、歴史上でもっとも才能のあるエンジニアチームが集まったその企業が、ゼネラルマジックです。そしてゼネラルマジックは1994年に、携帯型のパーソナルコミュニケーター(スマートフォンの先駆けとも言える)用のOS「Magic Cap」を開発し、搭載した機器がソニーやモトローラから登場します。しかし、親会社であるアップルが対抗馬となる携帯端末「ニュートン」を発表し、インターネットが普及し始めるタイミングで独自のネットワークを築こうとしていたなどさまざまな要因が重なって、同社は成功することなくシリコンバレーから姿を消しました。けれども、同社で育ったエンジニアたちが後に「iPod」を企画し、「Android」を作り上げ、「eBay」を立ち上げ、さらにはアメリカ政府のCTOにもなりました。この映画は、そうしたゼネラルマジックの綺羅星のような“マジシャン”たちの記録です。