立石銀三郎(56)は伝統芸能を伝える大道芸人。
よくなついた一人娘は、銀三郎が毎晩のように語り聞かせるお話が大好きだった。
しかし妻と別れてからは会うことを許されず、娘との思い出は彼女が6歳のまま止まっている。
ある日、銀三郎の幼なじみが営む農場に農業研修で女子高生4人がやって来た。
そこに里帰りした銀三郎。出会いは最悪だったが、大自然に抱かれ、土に触れ、剣淵町の優しい人々とふれあううちに次第に距離は縮まっていった。
しかし、ただ一人、日下部彩香だけは心を開かない。
いぶかる銀三郎は、ある夜、彩香の秘密を知ることになるのだった…。