あらすじ
烏坦城に生まれた蕭炎(しょう・えん)は、9歳にして少年闘之気(とうしき)大会を制し、天才の名をほしいままにしていた。しかし同じ年、“五大家族”の一員として北方討伐隊に参加した母が、魂滅生(こん・めつせい)に寝返って宝物を奪った疑いをかけられ、自害してしまう。それから7年――汚名を着せられたまま育った蕭炎の闘之気はいつしか衰え始めた。それでも一流の闘者になることを夢見る彼に対し、父・蕭戦(しょう・せん)は…。
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本編
納蘭嫣然(のうらん・えんぜん)が雲山(うん・さん)から奪った匕首は黒羅刹。海底に住む悪龍が変化したものであるゆえ“黒龍匕首”とも呼ばれている代物で、血宗のハン・ロウが雲山に贈った神器だという。師姉の雲韻(うん・いん)から、自分の血を吸わせて黒羅刹の主となれば、これを従えることができると聞かされたその時、匕首が突然動き出した。嫣然は、この匕首こそ雲山が魂殿と通じている証拠になると考え…。
突如、迦南学院を守護する地心巨蟒が暴れ始めた。早く抑え込まなければ学院に危険が及ぶが、地心巨蟒の力は強大で闘帝以外に封印できる者はいない。緊急事態に頭を抱える長老たち。実は、これまで穏やかだった地心巨蟒の急な暴走は、韓楓(かん・ほう)の企みによるものだった。雲山(うん・さん)から焚天錬気塔を壊すように命じられた韓楓は、邪派の物に反応する地心巨蟒を刺激すべく、ハン・ロウの血を床に垂らし…。
蕭炎(しょう・えん)は言い知れぬ重圧を感じていた。予言の英雄かもしれないと言われても、自分が皆を率いて魂滅生(こん・めつせい)を封じ、闇を除く存在だとは到底思えない。米騰山(べい・とうさん)は、苦悩する蕭炎に、予言に囚われないよう忠告し、本当に予言の英雄だとしても、天下のために犠牲となる覚悟ができていないのは当然だとなだめた。一方、納蘭嫣然(のうらん・えんぜん)と蕭炎の決闘を心配する蕭薫児(しょう・くんじ)は…。
ハン・ロウとの戦い半ばで魂殿から戻った蕭炎(しょう・えん)は、祭壇を破壊して父・蕭戦(しょう・せん)をはじめとする五大家族の傑士たちを救い出すこと、そして魂滅生を封じることを改めて誓った。彼が“予言の英雄”として危険に身を投じる覚悟をしていることに不安を覚える蕭薫児(しょう・くんじ)だが、“お前だけは絶対に守り抜く”と約束してくれたことを喜ぶのだった。ところが翌朝、蕭炎は黙って姿を消し…。
蕭(しょう)家の者を皆殺しにし、父を魂殿に送った雲山(うん・さん)を討つべく、戦いを挑む蕭炎(しょう・えん)。雲山が雲煙覆日の陣の形成を命じ、蕭炎を迎え撃とうとしたその時、飛んできた光の矢が陣を打ち破った。蕭薫児(しょう・くんじ)が援護に駆けつけたのだ。さらに、宿敵・莫(ばく)家討伐の機会をくれた蕭炎に恩を返そうと、蛇人国の一軍と女王・美杜莎(メデューサ)も加勢に参上。ここに、壮絶な決戦の火ぶたが切って落とされた…。