"風水師・Mr.ロバさん、自殺"
港区白金にて、風水師のMr.ロバこと驢馬田栄作さんが、自宅にて自殺した模様。心臓をナイフで一突き。死亡推定時刻は正午から午後1時の間。自室で、内側からカギをかけ、ワープロで書かれた遺書もあった。「いつ心臓の発作が起こるのかと、怯えながら生きることに疲れました。潔く自ら命を絶ちます。さようなら。Mr.ロバこと驢馬田栄作」遺書の横には、部屋のカギも置かれていた。
"心臓に持病"
ロバさんは、心臓に持病があり、以前、一度倒れたことがあった。12時に、体調が悪いと相談を受けていた近くの総合病院の外科医・犬飼良男さんが入院をすすめに来ていた。しかし、ロバさんは、子供の頃から病院が嫌いで、おまけに、犬飼さんの病院は、風水学的に方位が最悪だ。入院する位なら死んだ方がマシと、かたくなに拒んでいた。
"第一発見者"
発見時は、風水診断の客が2名いた。警視庁の警視・銭形舞さんと、巡査部長・五代潤さん。予約の時間になっても、ロバさんが出て来ないため、弟子兼家政婦の乾虎子さんが、内線電話で呼び出したが応答がない。ちょうど外科医の犬飼良男さんが訪れ、もしや,また発作が起きたのでは…、と、ドアのカギを壊して、ロバさんの部屋へ。亡くなっているロバさんを発見した。
"周囲の人々は・・・"
虎子さんは、三度も離婚し、2年前に運命を変えたくて、風水の勉強をしようと 思い立ったそうだ。しかし、月謝が払えず、弟子入りが難しいかと思われた時に、 ロバさんが、住み込みで家のことをやってくれたら、お金はいらない、と言って くれたそうで、とても優しい方だったとショックを隠しきれない様子である。医師の犬飼さんは、今度発作が起こったら命の保障は出来ないと言ったことが脅かしすぎだったのでは、まさか自殺するほど思いつめていたとはと、自分を責めている。あまりにも急な死に、周囲は戸惑いを隠せない。