スターリングラード

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あらすじ

1942年。一ヶ月にわたりナチス・ドイツの猛攻にさらされてきたスターリングラードは、もはや陥落寸前。市街は瓦礫の山、ボルガ河は血の海と化していた。“スターリン”の名を冠した街であるという理由から司令部は徹底抗戦を指示するが、武器はすでに底を尽き、送られる援軍は新兵ばかり。日々衰える志気のなかで死者だけが増えていく――まさに泥沼の最激戦地だった。 ヴァシリ・ザイツェフも補充部隊として赴任した新兵の一人だった。上陸直後の降り注ぐ砲弾を生き延び、広場に累々と重なる死体に紛れて反撃の機を待っていたヴァシリは、同じように身を潜めていた青年政治将校ダニロフと出会う。やみくもに撃って出ようとするダニロフを制したヴァシリは、手にしたライフルで離れた場所にいるドイツ軍士官を次々に仕留めて行く。一撃必殺の正確さ、しかもこちらの居場所を悟られずに一切を成し遂げた冷静さに、ダニロフはただただ驚嘆する。ヴァシリはウラルの羊飼いの家に育ち、祖父に射撃を仕込まれたのだった。毛皮を損なわないためには、一発で目を撃ち抜かなければならない――先の天才スナイパーと同一人物とは思えないほど控えめに話す純朴なヴァシリに、ダニロフは好感を抱く。一方のヴァシリも、教養にあふれ、共産党のエリート将校として理想を熱っぽく語るダニロフに、無条件の信頼を寄せる。翌日、ダニロフが発行する党機関紙プラウダ〈赤い星〉にヴァシリの名が躍った。 「同志スターリンの呼び掛けに応じてやって来た若きヴァシリ・ザイツェフ。ライフルのみを武器にして、一人、また一人とドイツ兵を倒していく。苦しみを数えてはいけない。ただ、殺したドイツ兵の数のみを数えるのだ!」 ダニロフはスターリングラードの守備を立て直すため赴任してきたフルシチョフ司令官に、次のような提言を行った。「我々に必要なのは英雄です。同胞に希望とプライドと戦闘意欲を取り戻させるために…。適任者が一人います。」

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本編

スターリングラード

スターリングラード

  • 131分 字幕 
  • 2日間 330 pt 〜

1942年。一ヶ月にわたりナチス・ドイツの猛攻にさらされてきたスターリングラードは、もはや陥落寸前。市街は瓦礫の山、ボルガ河は血の海と化していた。“スターリン”の名を冠した街であるという理由から司令部は徹底抗戦を指示するが、武器はすでに底を尽き、送られる援軍は新兵ばかり。日々衰える志気のなかで死者だけが増えていく――まさに泥沼の最激戦地だった。 ヴァシリ・ザイツェフも補充部隊として赴任した新兵の一人だった。上陸直後の降り注ぐ砲弾を生き延び、広場に累々と重なる死体に紛れて反撃の機を待っていたヴァシリは、同じように身を潜めていた青年政治将校ダニロフと出会う。やみくもに撃って出ようとするダニロフを制したヴァシリは、手にしたライフルで離れた場所にいるドイツ軍士官を次々に仕留めて行く。一撃必殺の正確さ、しかもこちらの居場所を悟られずに一切を成し遂げた冷静さに、ダニロフはただただ驚嘆する。ヴァシリはウラルの羊飼いの家に育ち、祖父に射撃を仕込まれたのだった。毛皮を損なわないためには、一発で目を撃ち抜かなければならない――先の天才スナイパーと同一人物とは思えないほど控えめに話す純朴なヴァシリに、ダニロフは好感を抱く。一方のヴァシリも、教養にあふれ、共産党のエリート将校として理想を熱っぽく語るダニロフに、無条件の信頼を寄せる。翌日、ダニロフが発行する党機関紙プラウダ〈赤い星〉にヴァシリの名が躍った。 「同志スターリンの呼び掛けに応じてやって来た若きヴァシリ・ザイツェフ。ライフルのみを武器にして、一人、また一人とドイツ兵を倒していく。苦しみを数えてはいけない。ただ、殺したドイツ兵の数のみを数えるのだ!」 ダニロフはスターリングラードの守備を立て直すため赴任してきたフルシチョフ司令官に、次のような提言を行った。「我々に必要なのは英雄です。同胞に希望とプライドと戦闘意欲を取り戻させるために…。適任者が一人います。」