高校の音楽科に通う凛子(りんこ)と鍵太郎(けんたろう)
裕福な家庭に生まれ何不自由なく育った凛子は、ショパンが大好き。ショパン国際ピアノコンクール出場を夢見ていた。
かたや貧しい家庭で大学進学も危うい鍵太郎は、技巧的なラフマニノフを得意としていた。
ライバル関係だが仲は良かった2人を、阪神淡路大震災が運命を大きく分ける。
鍵太郎は、コンクール入賞者に贈られる海外奨学金でワルシャワ音楽大学進学を狙っていたが、震災の怪我で出場できず凛子に白羽の矢が当たる。結果的に凛子が留学することになってしまう。
4年経ち、凛子が帰国すると、作曲家として活躍している鍵太郎の姿があった。
しかし、人が変わったかのように冷たくなった鍵太郎は、凛子に試練を課す。
追い込まれていく凛子の右手が支障をきたすのは時間の問題だった。
「人の心に届く音」とは何だろうか? 堕ちたとき、人はどう生きれば良いのだろうか?
そんな問いかけをするご当地ピアノ映画である。