本作は、高橋葉介の同名漫画「夢幻紳士」を原作とし、2006 年ヒューマントラスト・シネマ・ハートフルコンテンツ最優秀監督賞受賞、林海象が企画・プロデュースした探偵事務所 5(セカンドシーズン)でも監督として参加している海上ミサコ(うなかみみさこ)が監督をつとめる。海上監督が13才の時に読んだ原作の衝撃を基に、企画を温め続けて映画化した。
2018年の日本芸術センター第 10 回映像グランプリの優秀映画賞を皮切りに、2019年に愛媛国際映画祭プレイベントで審査員特別賞受賞の他、ロンドン国際フィルムメーカー・フェスティバルのコンペティション部門など国内外の映画祭に参加し高評価を得ており、昨年の福岡インディペンデント映画祭 2020でも優秀作品賞を受賞している。1980年代に雑誌「マンガ少年」で連載を開始した「夢幻紳士」は、昭和初期の帝都東京を舞台に、探偵・夢幻魔実也氏が事件を解決する1 話完結の怪奇ミステリ。雑誌の休刊や廃刊等の諸事情で休載や再開を重ね、シリーズの設定もその都度変更されながら、今日まで『ハヤカワミステリマガジン』等で掲載が続いている。独特のひねりのきいたストーリーと、レトロで幻惑的な世界、闇を描き出す力は、多くのファンを唸らせ、今もなお魅了し続けている。