ようこそ、〈ダリ・ランド〉へ! ファッション、音楽、アート、妖しげなパーティー
ポップカルチャー全盛の70年代ニューヨークで繰り広げる 奇想天外なダリ・ワールド
20世紀で最も偉大な芸術家の一人であり、シュルレアリスムの代表的作家としても讃えられる〈サルバドール・ダリ〉。グニャリと歪んだ柔らかい時計や変形した肉体など、それまでの価値観や常識を覆す、一度見たら忘れられない画期的な作品で人々の心を揺さぶり、人気と名声を獲得した。また、絵画だけではなく、ダリというキャラクターも、ダリの“作品”だった。ピンとはね上がった独特の口ひげと奇抜なスタイル、「私は永遠に生きる。天才は死なない」「神々と肩を並べる方法は、一つしかない。神々のように残酷になることだ」など数々の尊大な名言を発し、現代におけるインフルエンサーのような存在として、常に人々の注目を集めていた。そんなダリがポップカルチャー全盛期を迎えた70年代のニューヨークで、ファッション、音楽、アートを、時代の最先端に立って牽引していく姿を描く刺激的な映画が完成した。
ヨーロッパ各国から集結した実力派俳優たちと、実在の人物を鮮やかに描き出す監督が迫る 20世紀で最も偉大な芸術家の真の姿
ダリに扮するのは、アカデミー賞(R)に4度ノミネートされ、『ガンジー』でオスカーを手にした名優ベン・キングズレー。誰もまねできないアイディアに溢れた偉大な画家、人々を煽るエンターテイナーにしてパフォーマー、傷つきやすい心、老いと死への恐怖など、いくつもの顔を持つ万華鏡のようなダリを演じきった。
ダリの妻で激しい気性を持つガラには、『ローザ・ルクセンブルグ』でカンヌ国際映画祭女優賞を受賞したドイツを代表する女優バルバラ・スコヴァ。詩人ポール・エリュアールと結婚していた時にダリと出会って激しい恋に落ち、ダリの保護者かつ支配者となり、実質的なマネージャーでもありながら、若い俳優に熱を上げるガラを、残酷だが実は繊細な人物として表現した。
ジェームスには、本作が長編映画デビュー作となるクリストファー・ブライニー。ロンドンとニューヨークの演劇学校の膨大な数の卒業生名簿の中から見出された逸材だ。ダリの新たなミューズ、アマンダにはトランスジェンダーの俳優で『蜘蛛の巣を払う女』で知られるアンドレア・ペジック、秘書のキャプテンには人気TVシリーズ「SHERLOCK(シャーロック)」のルパート・グレイヴス、お気に入りのモデルのジネスタには『あと1センチの恋』のスキ・ウォーターハウス、若き日のダリには『ファンタスティック・ビースト』シリーズのエズラ・ミラーと、ヨーロッパ中の実力派俳優たちが集まった。
監督は『I SHOT ANDY WARHOL』『チャーリー・セズ/マンソンの女たち』のメアリー・ハロン。歴史に名を刻む人物の実話から、人間の真理を描き出そうとする手腕が本作でも存分に発揮されている。
ダリとはいったい何者だったのか? 心浮き立つポップカルチャーの裏に秘められた、20世紀で最も偉大な芸術家の真の姿に迫る!