自らの命をかけてナチスに抗議した作家の時を超えた世界的ベストセラーを映画化!ドイツ映画を背負う新鋭とベテラン俳優の緊迫の対決現代の世界状況と呼応する衝撃のストーリー。
監督は、『アイガー北壁』『ゲーテの恋~君に捧ぐ「若きウェルテルの悩み」~』のフィリップ・シュテルツェル。少年時代に原作と出会って深い感銘を受けたシュテルツェルは、変わるはずはないと信じられていた自由な世界が、驚くほど短い間に簡単にひっくり返されるという物語に、まさに現代の社会状況との共通点を見出し、警告の想いを込めて本作を作り上げた。
主人公のヨーゼフを演じるのは、オリヴァー・マスッチ。ドイツで最も敬愛される名優の一人で、『異端児ファスビンダー』で数々の賞を受賞している。また、ダークコメディ『帰ってきたヒトラー』のヒトラー役でも知られ、『ファンタスティック・ビーストとダンブルドアの秘密』などハリウッド大作でも活躍している。愛する妻と人生を楽しんでいたヨーゼフが、様々の形で踏みにじられる人間の尊厳を取り戻そうとする姿をリアルに演じきった。
ヨーゼフと緊張感あふれる対峙を繰り広げるゲシュタポのベームには、本年度アカデミー賞®4部門受賞という快挙を成し遂げた『西部戦線異状なし』で重要な役を演じ、英国アカデミー賞に輝いたアルブレヒト・シュッフ。インテリジェンスで一見上品な男が、たやすく狂気に転ぶ様を冷徹に体現して、観る者を震撼させる。
ナチスのゲシュタポと囚われたヨーゼフ、ヨーゼフとチェスの世界王者──過去と現在の二つの対決が息もできないほどのスリルに満ちた駆け引きで進むにつれて、冒頭からの伏線が回収され、もう一つの予想もしなかった真実が明かされていく。観る者の心をかき乱す、かつてないヒューマン・サスペンスが誕生した。