映画作家・園田新が「Wiz/Out」(2007年公開)以来となる、自身のオリジナル脚本を映画化。監督みずから製作全般を兼務し、自己資金とクラウドファンドによって完成させた、インディペンデントスピリット溢れる自主制作映画である。低予算ながら商業映画と遜色ないクオリティを目指し、約3ヶ月間に渡るワークショップ形式での役作りや、4K画質での撮影、編集を行った。撮影監督には、「CSIマイアミ」「リベンジ」など大ヒット海外ドラマのカメラマンとしてハリウッドで活躍するトーマス・シュナイトを迎え、既存の日本映画とは異なる無国籍な映像世界を創り出している。また、社会現象となったテレビドラマ「逃げるは恥だが役に立つ」など多くのドラマや映画の劇伴を手掛ける末廣健一郎が音楽監督として参加し、映像と一体となったサウンドトラックに仕上がっている。愛を求めるがゆえに、どうしようもない衝動に突き動かされる登場人物たちの感情が複雑に絡み合うストーリー。視点の変化とともに映画のジャンルは、ラブストーリーからサスペンスに変化し、やがてスリラーにまで変貌する。日記をめくるように過去と現在を行き来し、ジャンルの枠を超えながら進む、映画でしか表現できない映画体験を追求した作品である。