朝日、読売、毎日の三大新聞に映評が同時掲載される最高評価の話題作。
プロデューサーとして村上春樹の『村上RADIO』(TOKYO FM)などを手がけながら、作家としての顔を持つ延江浩が原作を提供。彼の短篇小説集『7カラーズ』(延江ローレン名義、水曜社刊)から2002年度リトルモアストリートノベル大賞佳作の「さすらいのボンボンキャンディ」を映画化。原作者延江浩と監督サトウトシキのタッグは『アタシはジュース』(1996)以来となる。主演は『花束みたいな恋をした』『激怒』など、注目作への出演が続く影山祐子。生きる実感を持てないままに、性にのめり込んでゆくでもなく、声高に叫ぶでもなく、それでも人間らしいつながりと愛を求めてさすらうヒロイン・仁絵を演じて、唯一無二の存在感と大胆な演技で初主演を鮮やかに飾る。相手役の原田喧太はギタリストながら父・原田芳雄を彷彿とさせる好演を披露。本作は偶然にも父親の遺作となった『大鹿村騒動記』と同じ延江浩の小説にもとづいている。監督は『迷い猫』『今宵かぎりは…』『短篇集さりゆくもの もっとも小さい光』の鬼才サトウトシキ。