敵から拷問を受け心に傷を追った政府機関の元エージェントの男。かつての上司から連続スパイ暗殺事件の捜査中に行方を絶った娘の救出を依頼され、スパイの世界に復帰する。この任務は男の失われた記憶を浮かび上がらせると同時に、世界の諜報機関を揺るがす謎の組織の脅威が迫ってきていた。善悪の基準が曖昧で、敵か味方も分からなくなる「グレーゾーン」な世界で暗躍するスパイたちの活動を描く。裏切りと騙し合いが連続する予測不能なストーリーと、消音器付の拳銃をメインに使用したガンアクションが緩急あるリズムで展開する。誰も信用できないスパイの非情な世界をリアリティ溢れるアクションで描写。プロフェッショナルな魅力が全編に渡って堪能できる。主役の元スパイを演じるバリー・ペッパーはスティーヴン・スピルバーグ監督による戦争映画の名作『プライベート・ライアン』で、凄腕の分隊スナイパーを演じて注目され、その後数々のアクション映画で培ったスキルを本作でも遺憾なく発揮。心に傷を負った凄腕スパイをはまり役で演じている。