ある日、青年倉橋順吉は、歯科医院で美しい令嬢・葉室千枝子に出会った。二人は並んで歯科医(ドクトル)の治療を受ける。順吉は麻酔注射をうたれ、霞んでいく意識の中で、信じられない光景を見る。
ドクトルが千枝子を裸にし、胸に歯型の残るほどの口づけをする。そして、ドクトルは、ディスコで、ホテルで、千枝子をいたぶり犯す。千枝子はドクトルを憎みながらも、歓喜の声にうちふるえる。
千枝子へのつのる想いをどうすることもできない順吉は、ついに千枝子を刺し殺してしまう。千枝子は死に、ドクトルから解放された……。
いつの間にか、歯の治療は終わっていた。あれはすべて夢だったのか? 千枝子は挨拶して診療室を出て行き、順吉は後を追う。海辺で何事もなかったかのごとく、二人は見つめあうのだった。