何よりも強い絆で結ばれた幼馴染みのキダとマコト。2人は10年もの歳月をかけて、表と裏それぞれの社会でのしあがり、住む世界の違うある女性に近づき、プロポーズをしようとしていた。だが、実はそれは、日本中を巻き込む“ある壮大な計画”だった――。
穏やかで優しい性格でありながら裏社会に身を置き、いくつもの危ない橋を淡々と渡っていくキダには、EXILE/三代目J SOULBROTHERS from EXILE TRIBEのメンバーとして鮮烈なパフォーマンスで観る者を魅了する岩田剛典。俳優としても活躍し、『HIGH&LOW』シリーズ、『植物図鑑 運命の恋、ひろいました』、『AI崩壊』など、アクションからラブストーリーまで振れ幅の広いキャラクターに扮し評価されてきた。キダの力を借りながら会社経営者となり、頭脳と情熱で表社会をのし上がっていくマコト役を新田真剣佑。『ちはやふる』シリーズや『OVER DRIVE』、『十二人の死にたい子どもたち』など話題作に出演し、公開を控える大ヒットシリーズの完結編『るろうに剣心 最終章 The Final/The Beginning』では重要な役に扮するなど、今最も注目されている。今や若手俳優の中でも傑出した存在感を誇る2人の初共演が実現。最強かつ最高のバディが、観る者の心を鷲づかみにする。ヨッチ役には、意志を貫く眼差しが一度見たら忘れられない山田杏奈。リサ役には、キダやマコトたちとは住む世界の違う〈高嶺の華〉を体現した中村アン。また、リサの父親役の石丸謙二郎、キダとマコトが勤めていた自動車修理工場の社長役の大友康平、キダを裏稼業へと誘う川畑役の柄本明が、ベテラン陣の磨きのかかった攻めの演技で、物語に確かな血を通わせる。
原作は、行成薫の同名傑作小説(集英社文庫刊)。のちの人気作家、直木賞受賞作家が数多く発掘されることからも注目される、「小説すばる新人賞」の2012年受賞作で、クライマックスで一気に世界が変わる斬新かつ絶妙な手法が、驚きをもって絶賛された。原作の巧みな語り口を引き継ぎながら、映像でしか成し得ない伏線とサプライズを緻密に張り巡らせた監督は、『ストロベリーナイト』、『累 -かさね-』などを手掛けた佐藤祐市。キダとマコトの“ある壮大な計画”の意図も真の目的もわからぬまま、過去と現在を行き来しながら物語は進む。ラスト20分、それまでの登場人物の会話や行動、思い出の場所や幾度か現れるアイテムなど、散りばめられたピースがひとつになり、もうひとつの物語が立ち上がる。2021年最大の衝撃サスペンス・エンターテイメントが、ここに誕生!