函館。
ジョルジョ・デ・キリコの絵画のような透明な空気漂う街から、新しい“愛”が生まれる……。
シアワセなサヨナラ。
脚本:森田芳光(『失楽園』『家族ゲーム』)+監督:明石知幸(『免許がない!』)。
新感覚。大人ためのラブ・ストーリー。彷徨う男。別れた女。
杉本哲太×小林聡美
木根尚登のアコースティックな音楽にのせて展開する二人の愛は…。
透視されたジョルジョ・デ・キリコの風景
峯村敏明 (美術評論家 / 多摩美術大学教授)
1910年、病み上がりのジョルジョ・デ・キリコは、フィレンツェのとある広場で透明な秋の陽射しを浴びるダンテの彫像が包帯にくるまれている幻覚を見、最初の「イタリア広場」を描いた。20世紀初頭のバブル的前衛美術とは一味違う、神秘とノスタルジーの形而上的絵画の誕生だった 回復期の画家の目には風景という生命体の病状と回復への動きがくっきりと見えたのだろう そんなジョルジョ・デ・キリコの目を函館の風景に投入したこの映画 現代日本を包帯姿で見せてくれるようだ。