学生運動が活発だった1960年代後半。高校生のみすずはひとり孤独の中にいた。学校でも友達をつくらず、家にも彼女の居場所はなかった。みすずは小さい頃、兄だけを連れて家を出た母親に捨てられ、叔母家族に引き取られ育てられたのだった。そんなある日みすずは、突然訪ねてきた兄が残していったマッチを頼りに、新宿のジャス喫茶Bへと向かった。彼女はそこで、兄や彼の仲間たちと出会う。その中にはちょっと謎めいた雰囲気の東大生、岸もいた。彼らの仲間に加えてもらい、初めて自分の居場所を実感するみすず。彼らと過ごす時間が増えていくにつれ、次第に岸に対して特別な感情を抱き始めるみすずだったが…。