「橋の上で待っています。午後から、ずっと─」
フランス・リヨンの赤い橋の上。
親に黙って会社も辞めて、日本を飛び出してきた相沢朋子(吉瀬美智子)はその日、午後12時から橋の上に佇んでいた。
昨日までごく普通のOLだった彼女が、待っているのは別れた恋人。
「日本人?」彼女にそう声をかけたのは、木島立夫(眞木大輔)。
バックパッカーとして海外を放浪して1年、明日帰国する予定の彼が持っているのは、日本行きのエアチケットと小銭だけ。
夜22時に出発するパリ行きの列車まで、どこかで時間をつぶさなければならない。
ひと目で心を奪われた朋子と、おしゃべりでもして時を過ごせたら─。