大正野球娘。
時は大正14年。 東邦星華高等女学院に通う洋食屋の娘・鈴川小梅は、友人の小笠原晶子に「一緒に野球をしていただきたいの!」と告げられ、了承してしまう。
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全話#1～#12
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男子がすなるという、あれ ／ 春の長日を恋ひ暮らし ／ 娘九つの場を占めて ／ これから ／ 花や蝶やと駆ける日々 ／ 球は広野を飛び回る ／ 麻布八景娘戯 ／ 麻布の星 ／ 誤解の多い料理店 ／ 私は何をする人ぞ ／ そゞろに胸の打ち騒ぐ ／ 土と埃にまみれます
本編
#1 男子がすなるという、あれ
- 24分
8日間 220 pt 〜
"時は大正14年。東邦星華高等女学院に通う洋食屋の娘・鈴川小梅は、友人の小笠原晶子に「一緒に野球をしていただきたいの!」と告げられる。勢いに押され、野球がどんなものか良くわからないまま思わず頷いてしまう小梅。
放課後、晶子はクラスのみんなに向かって、野球に参加してほしいと呼びかける。その理由は、小笠原家のパーティーに出席していた朝香中学の岩崎という人物が関係していた・・・。"
#2 春の長日を恋ひ暮らし
- 24分
8日間 220 pt 〜
"小梅と晶子はさっそく英語教師のアンナ・カートランドから野球の指導を受ける。晶子はピッチャー、小梅はキャッチャーとして投球練習を始めるのだが、捕球の仕方もわからない小梅は、晶子からボールを受けるつもりで、地面に正座してしまう。
2人のクラスメイト・巴は、仲間に入りたいが素直に言い出せない。そんな中、体育の授業の際に巴の俊敏な動きを見たアンナは、巴を野球部に勧誘するのだが・・・。"
#3 娘九つの場を占めて
- 24分
8日間 220 pt 〜
"何とか9人集め、野球が出来る事になった小梅たち。この会を「桜花会」と名づけるが、学院長からは正式なクラブとしての許可は下りず、同好会としてスタートを切ることに。とりあえず部室ももらえたものの、そこは使われていないぼろぼろの物置だった。それでも少しずつ物置を修理し、グラウンド整備にも励み、なんとか練習ができるようになる。
そんな中、アンナは9人のポジションを発表する。さらに、朝香中学に練習試合を申し込んだことを川島乃枝が告白し・・・。"
#4 これから
- 24分
8日間 220 pt 〜
"朝香中学との試合後、2日経っても学校に来ない晶子。心配になった小梅は晶子を見舞うが、行ってみると晶子は意外にも元気な様子だった。だが、小笠原家の運転手・松阪は、晶子がおとといから食事もせず寝込んでいたという。
一方、桜花会では尾張記子が退部したいと言い出した上、試合で痛恨のエラーをした鏡子も練習に姿を見せない。
そんな中、洋食屋・すず川に岩崎と高原がやって来て・・・。"
#5 花や蝶やと駆ける日々
- 24分
8日間 220 pt 〜
"呉服屋の娘・宗谷雪が、自宅の蔵の中で眠っていた運動着を持ってきた。しかし、記子が抜けて8人となったため、人数が揃うまでは基礎トレーニングを行うことに。しかし、予想以上の厳しい練習に、みんな根を上げてしまう。
9人目を探そうと焦る小梅たち。乃枝が、足の速い「切り込み隊長」を探そうと提案する。記子に「足の速い人を探すなら陸上部に行けば」と言われた晶子・小梅・乃枝の3人は陸上部の練習を見に行くことに。"
#6 球は広野を飛び回る
- 24分
8日間 220 pt 〜
"「実戦に勝る練習はありません」とアンナ先生に言われ、他校に練習試合を片っ端から申し込むものの、断られてばかりの桜花会。小学生にまでボロ負けしてしまい、問題は山積み。
そこで乃枝が「川島流勝利の方程式」と称した善後策を披露する。「バッテリーは一心同体、真の夫婦の努力を」と言われた晶子と小梅。「新婚生活」を送るべく、鈴川家に晶子がやってきた。"
#7 麻布八景娘戯
- 24分
8日間 220 pt 〜
"市中では「辻打ち」という、有名中学のピッチャーが夜道で何者かにバットで挑まれ、打たれるという珍事件が発生している。石垣環がその噂話を持ち出す中、妙に絡んでくる巴。実は、辻打ちの正体は巴だったのだ。
かねてから小梅に近づきたい巴が小梅を巻き込んだいたずらだったのだが、その2人の不審な行動に気づいた晶子は「辻投げ」と称して練習中の魔球で男子生徒に勝負を挑みはじめ・・・。"
#8 麻布の星
- 24分
8日間 220 pt 〜
"今日も小学生たちと練習試合をしている小梅たち。スコアブックのつけ方を学んだ乃枝は、苦労して身につけた魔球を使ってみないかと晶子に持ちかける。だが晶子はまだ魔球を思うように投げられず、この日も結局負けてしまう。
そんな試合の様子を伺う男がいた。彼は吉村という国際キネマの社員で、製作中の映画の主演女優の代役に小梅を起用したいと言い出して・・・。"
#9 誤解の多い料理店
- 24分
8日間 220 pt 〜
"小学生との練習試合を重ね、自分たちの弱点を徐々に克服し、上達してきた桜花会メンバー。ついに、小学生から1勝をもぎ取ることができた。それを見たアンナは、朝香中学に試合を申し込むことに。一方、両親に野球をやっていることを告げられないでいる小梅は、あることがきっかけで父・洋一郎と大ゲンカになってしまう。
そんな中、朝香中学から試合を拒否する手紙が届く。晶子は激怒して岩崎に電話をするのだが・・・。"
#10 私は何をする人ぞ
- 24分
8日間 220 pt 〜
"桜花会は合宿のため、小笠原家の別荘へ。鏡子は、この機会に巴との距離を一気に縮めようと張り切る。しかし、別荘は昨晩の嵐で半壊状態。小梅たちは近くの公民館で合宿を行うことに。アンナはこの2週間が総仕上げと、さっそく練習を始める。一方、鏡子は巴にいいところを見せようとするが失敗ばかり。
そんな中、アンナが肝試しを提案。落ち込んでいた鏡子は、チャンスと意気込む。"
#11 そゞろに胸の打ち騒ぐ
- 24分
8日間 220 pt 〜
"朝香中学との試合前日。ついに小梅の両親が野球の事を知ってしまう。近所の寺で素振りをしている小梅を見つけた父・洋一郎は、隠し事をして嘘をついていたことを叱る。
翌朝、小梅は洋一郎の反対を押し切って家を出る。試合前の練習を始める桜花会。朝香中学の練習も始まるが、なぜか晶子が姿を見せない。家に電話をすると「急な発熱なので休ませる」と言われ、不審に思った小梅は晶子の家に駆けつけ・・・。"
#12 土と埃にまみれます
- 24分
8日間 220 pt 〜
ついに朝香中学との試合が始まった。序盤は、巴の打撃と晶子の魔球が威力を発揮し、桜花会がリードする。しかし、晶子の魔球に対策を講じた朝香打線は5回表、ついに逆転し、なお突き放していく。大量リードを許し、これ以上1点も与えられない7回表。あわやヒットという打球を雪がナイスキャッチしてなんとか切り抜けるが、雪はそのまま地面に倒れこんだまま動かなかった。
(C)神楽坂淳/徳間書店・東邦星華桜花会