1900年12月、スコットランド沖の北大西洋に浮かぶ孤島で3人の灯台守が忽然と消えた、《フラナン諸島の謎》と呼ばれる実在の失踪事件。100年以上が経過した現在も真相は謎のまま、様々な説が取り沙汰されている。この世界的にも有名な未解決事件を題材に、大胆な仮説と解釈で描くミステリアス・スリラーが、この『バニシング』だ。
荒涼とした孤島を舞台に展開される、謎めいた物語。人間の奥底に秘められた、醜悪な欲望、猜疑心、孤独感。ふとしたきっかけから、それらがむき出しにされた時、狂気と恐怖に満ちた物語が幕をあける。単なるスリラーでは片づけられない、《人間心理の闇》を鋭くえぐる、一筋縄ではいかない作品の誕生である。
主演は、『ジオストーム』『ザ・アウトロー』『ハンターキラー/潜航せよ』とヒット作が続く、絶好調のジェラルド・バトラー。バトラーは、この作品は独自のジャンルに属すると語る。「こういうスリラーは初めて目にした。とても感情に訴える。この3人を深く知ったところで、悲劇が起こる。心を揺さぶられると同時に、とても残酷で恐ろしい。すごく怖いけど、映画の半分は泣き通しになるよ」。この企画に惚れ込んだバトラーは、自らのプロダクションで本作を製作、プロデューサーにも名を連ねている。
共演は、スコットランドのベテラン俳優ピーター・ミュラン(『マイ・ネーム・イズ・ジョー』『戦火の馬』)、そして新人のコナー・スウィンデルズ。監督は、数々の賞に輝くデンマークのクリストファー・ニーホルム。大ヒットを記録し、《北欧スリラー》の名を一躍世界に広めた傑作『THE KILLING /キリング』等テレビシリーズで活躍してきたが、本作が満を持しての劇場用映画デビュー作となる。