本作は、日本語と英語、ふたつの言語が行き交う新鮮さと、ふたりの主人公の「嘘」と「本当」が逆転していく会話劇の面白さを作品の売りとして、相手だけでなく自分にも嘘をついていたふたりが自身の本当の気持ちを受け入れ、人生を取り戻していくまでを描く、ラブコメ映画である。
2020年のコロナ禍と東京オリンピックの延期を受け、本来構想していた物語を「今だからこそ描きたい、2020年夏の物語」として再構築し、制作された。
時代を映しながらも大げさに社会派を謳うことなく、あくまでも「ただの恋愛もの」として魅力的な作品を作ることが、今の世の中に対するささやかな希望と楽観のメッセージになりうるのではないかという願いも込められている。
2021年には、映画祭出品を目指すクラウドファンディングで多くの共感を集め、国内外数々の映画祭で入選・入賞を果たし、各地で好評とさらなる展開を望む声が上がっている。
監督は前作『パラレルワールド・シアター』で劇場デビューを果たした堤真矢。
ダブル主演は、菊池真琴(『あの日々の話』『四人姉妹』)、藤田晃輔(『サクリファイス』『アポトーシス』)の2人がつとめ、二カ国語を自在に操る魅力的な演技を披露している。