ドキュメンタリーと再現ドラマで描く、少女たちの戦争悲劇
映画「ひめゆりの塔」は繰り返しリメイクされる反戦映画の名作。10代の少女たちで編成されたひめゆり学徒の悲劇である。
だが、沖縄戦で看護学徒として動員されたのは、ひめゆり学徒だけではない。
沖縄県立第二高等女学校の4年生56名の生徒から編成された白梅学徒もその1つ。
たった18日間の看護教育を受けただけで八重瀬岳にある第一野戦病院に配属。兵士の治療にあたった。
負傷した日本兵が次々に運び込まれて、ベッドが足りなくなる。
多くの兵士は床や通路に寝かされ、負傷兵は治療するよりも腕や足をノコギリで切り落とすしかないことが多かった。
そんな手術の手伝いをしたのが、つい先日まで青春を謳歌していた10代の女子である白梅学徒である。
兵士の傷口に湧いたウジを取る。ズボンに溜まった何日分もの糞尿の処理。やがて病院壕にも米軍が迫り、
歩けない兵士たちを医師たちが薬で毒殺。学徒たちも米軍の攻撃にさらされて命を散らしていく。