あらすじ

刺青が渡世人の男を売る金看板と言われていた大正初期。刺青師・相生宇之吉が五年ぶりに大阪の土を踏んだのは、親友・大勧進一家の若い衆立花清の背に"武松虎退治"を彫りながら、自分の背に一匹竜を彫った師匠・彫安を訪ねることであった。だが彫安は娘の小雪を女郎に出すほどの零落ぶりで、西成の一隅に貧しく暮らしていた。宇之吉は彫安と小雪の夫と子供の三人を自分の下宿に引き取り、百円を内金に松月楼の女将に小雪の身請けを頼み込む。宇之吉の男気に惚れた女将は廓の掟を無視して小雪の外出を計らってやる。ところが刺青師彫久を兄に持つ大勧進一家の鬼若組の組長鬼若五郎にとって宇之吉はライバル、葬るには絶好の好機と宇之吉を廓の掟破りに仕立てて小雪を四国の琴平に売り飛ばす。それを知った宇之吉は小雪を連れ戻すことで身の証しを立てようと四国へ渡る。そんな折、英国の皇室から内々に刺青の依頼があり、日本一の刺青師を人選すべく盛大な刺青大会が開催される事になった。この大会に優勝することは刺青師として最高の名誉であり、鬼若は彫久を是が非でも優勝させるため宇之吉殺害計画をめぐらせる。四国から小雪を伴って下船する宇之吉を刺し殺そうとするが、間一髪、四国きっての大親分岩切寅松に救われる。こうして彫久と宇之吉の一騎打ちとなる刺青大会が開かれた。総勢三十名にのぼる様々な刺青を彫った出場者の中から、彫久作「狼」を背負った鬼若の優勝が決まりかけた時、突如、会場に進み出た宇之吉がもろ肌脱いで彫安作「一匹竜」を披露する。その見事な刺青に会場万雷の拍手が巻き起こる。

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本編

博奕打ち

博奕打ち

  • 90分 
  • 2日間 330 pt 〜

昭和初期の大阪飛田新地。持ち前の男気と鮮やかな手捌きを売り歩く一匹狼の博奕打ち海津銀次郎は、舎弟分の花沢義松を連れてやってきた。黒田一家の賭場で見事な張りっぷりで稼ぐ銀次郎に、救けを求めてきた男がいた。女郎屋錦楼の主人山波新吉といい、店を担保に三千円の借金を黒田に厳しく追われているという。同情した銀次郎は、山波に二度と博奕をやらないと誓わせて元手五十円を預かって寺島一家の賭場へ出かけた。ところが老胴元市岡の技術に、さしもの銀次郎も手が出ず、用意した元手の五十円を取られてしまう。しかし訳を知ったか腕に惚れたか、老胴元市岡は自分の金を融資し、胴元を銀次郎に譲って五百円を勝たせてやる。銀次郎から五百円を受け取った山波は、約束を破って素人賭場を開いて、黒田一家の代貸大関に踏み込まれて有り金全部巻き上げられてしまう。さらに黒田一家は借金返済不可能とみて錦楼に乗り込み山波夫婦を強引に追い出してしまう。さすがに気落ちした山波の女房は自殺する。動転した山波は香典を手に花沢と黒田組賭場へ乗り込むが、またしてもすってしまい、花沢は二度と手にしまいと誓ったイカサマ花札を使った。だが、大関に見破られ、駆けつけた銀次郎は弟分の不始末を詫びて黒田の前で指を詰める。兄弟分の縁を切ってくれと男泣きする花沢をなだめた銀次郎は水ごりをとって身を清め、ふたたび黒田の賭場に向う。