いつでも、どこの国でも、新米教師はツライよ。教えるってなに?学ぶってなに?
ロシアのとある地方都市、ここには“教育”が抱える問題の縮図がある。
エカテリーナとワシリイはモスクワの大学を卒業した新米教師。ふたりは理想を胸に、見ず知らずの地方都市の学校に赴任する。エカテリーナは文学、ワシリイは地理の先生として。だが、すぐにその理想は崩れていく。授業中に勝手に発言する生徒や話を全く聞かないクラス、教師同士の人間関係、日々の授業の準備。山積する仕事に「理想の教育」は霞んでいくのだった。果たして、情熱を持ち、新しい教育を目指したふたりの新米教師の行く末はどこへ向かうのか。
本作はロシアという一国にとどまらない、教育システムや教師の働き方のギャップに迫ったドキュメンタリーだ。教室の中にカメラを据え、教師と生徒の一挙手一投足を見つめる。そこには、世界中の教師たちが共感するに違いない、「教えること」の日々の営みがつぶさに記録されていた。翻って日本は? 大幅な「教員不足」が大きなニュースになったこの国で、先生たちの声なき声が本作から聞こえてくるはずだ。