ひぐらしのなく頃に
第22話 罪滅し編 其の壱 幸せ
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あらすじ
『じゃ、始めるよ!竜宮レナ、一世一代のがんばり物語を……!』
…今日の部活は水鉄砲をつかったサバイバルゲーム。
優勝の行方は、強敵・魅音を倒した圭一と、最後に残ったレナとの一騎討ちに委ねられる。
果たしてオヤシロさまはどちらに微笑むのか!?
…その後、エンジェルモートでの大・罰ゲーム大会。
クラスメートや入江を巻き込んでの大騒ぎに、いつもと変わらない様子を装うレナだったが、その裏にはある悩みが影を潜めていた…。
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本編
『あの時うるさい程に鳴いていたひぐらしは、今にして思えば、これから始まる全ての事を教えようとしていたのかもしれない…これからおこる全ての事を…』
…昭和58年初夏。
山奥の寒村・雛見沢村にて、前原圭一はごくありふれた毎日を過ごしていた。都会から引っ越してきたばかりの圭一だったが、毎朝一緒に登校してくれるレナや、ゲームに真剣に興じる魅音・沙都子・梨花ら仲良しグループのおかげで、楽しい日常を築き始めていた。
そんなある日、圭一は偶然会ったカメラマンの男性から、村にまつわる怪死事件の存在を知る…
『そして、5年目の綿流しってのは…つまり…』
『今日なのよ…』
…ダム工事に関連するバラバラ殺人事件、それは確かな事実だった。
衝撃を受けながらも所詮他人事だと思っていた圭一は、レナたちから「綿流し」という、雛見沢に代々伝わるお祭りの話を聞く。
祭りの当日、いつもの部活メンバーと屋台巡りをして楽しむ圭一だったが、そこで今度はお祭りの夜に毎年起こる、ある「出来事」を聞かされ…
『明日、学校休んじゃ"イヤ"だよ…?』
『しないよね、圭一くんは…?……転校。』
…かつて学校に在籍していた「悟史」という少年。
大石の話によれば彼は沙都子の兄であり、そして一年前に失踪したという。
毎年起こる連続怪死事件の被害者たちは何故か必ず部活メンバーに関係があり、そして次に狙われるのは圭一かもしれない、と…。
その言葉を裏付けるように、その日から周囲の様子が怪しくなっていく…
そしてついに圭一の身に危険が!?
『圭一君の相談にのれるのは私だけ…圭一君を転校なんかさせないから…』
…両親の留守宅に訪ねてきたレナ。
圭一はそのいつもと違う不気味さに、思わず閉め出してしまう。
次の日、護身のためのバットで素振りを繰り返す圭一に、魅音が残した謎の捨てゼリフ。
下校途中に鉈を持って現れるレナ。
逃げ出した圭一の前に立ち塞がる、二人組の男たち。
気絶させられた圭一が目を覚ましたとき、そこには…
『だ…だから違うんです……私! …魅音じゃないんです!』
…今日の"部活"は町のおもちゃ屋でのカルタ取り大会。
圭一は「口先の魔術師」の実力を遺憾なく発揮し、魅音との一騎打ちに持ち込む。
…がしかし、魅音がバイトへ行く時間になり、勝負はお預けに。
店主から貰ったかわいらしいぬいぐるみを、圭一はレナにあげてしまう。
その後、一人でレストラン「エンジェルモート」に入った圭一。
そこにはウェイトレス姿の意外な人物が…!?
『圭ちゃん、ワタって言いません?…臓物のこと。』
…今年も綿流しの夜がやってきた。
祭りの最中、圭一は富竹や鷹野、詩音と会い、雛見沢ダム計画にまつわる連続怪死事件の話を聞かされる。
毎年一人が死に、もう一人が行方不明になっている事実…そしてそのままの流れで、古手神社内にある"禁断の"祭具殿に忍び込む4人。
祭具殿の中に隠された真実、そして鷹野の口から驚くべき考えが明かされる…!
『姉猫はとても怒っています。妹猫が悪いことをしたので、とっても怒っています。』
…村長が行方不明になった翌朝、不安になった圭一は、祭具殿へ忍び込んだことを梨花に打ち明けてしまう。
その晩、圭一との電話で詩音は
「村長さんが行方不明になったのは自分があの晩のことを話したからだ」
と告白する。
動揺し、梨花の身に危険が及ぶことを心配する圭一。
そしてついに不安は現実のものとなり…!
『初めまして、ご挨拶申し上げます。園崎本家当主跡継ぎ…魅音でございます』
…沙都子と梨花の失踪、それを解き明かすレナの推理。…回覧板に書かれたある案内文が、それを裏付けていた。
圭一が祭具殿へ忍び込んだことを魅音は知っていた、とレナは言う。
しかし魅音が怒っていたのはその事実ではなく、圭一がそれを隠していたことだ、と。
直接会って謝罪するべく、圭一はレナと共に園崎本家へ向かう。
そこで対面した魅音は、二人の知らない顔を持っていた…。
『悟史っていうのは、私のにーにー…じゃなくてええと…兄なのですのよ』
…両親不在の前原家で慣れない料理にチャレンジする圭一。
案の定、あわや火事の大騒ぎを起こすが、そこへ駆けつけた沙都子と梨花によって惨事は免れ、さらに沙都子の手料理までご馳走になることに。
そこで沙都子には仲の良い兄がいたこと、そして1年前に家出してしまったことを聞く。
圭一に兄の姿を重ねる沙都子。
食卓を囲み、3人は楽しい団欒のひと時を過ごすのだった。
『強くなって悟史くんの帰りを待つのが沙都子ちゃんの生きる理由なんですよ…』
…沙都子が学校を欠席した。
大石という刑事が沙都子を尋ねて学校へやって来るが、その乱暴な態度に圭一は不吉な印象を受ける。
そこへ通りがかった入江の口から、沙都子の辛い過去が語られた。
両親を失った後、叔父夫婦に引き取られた沙都子は、その夫婦から虐待を受けていたというのだ。
しかもその叔父がつい最近雛見沢に帰ってきたという 噂を聞いて、ますますイヤな予感を募らせた圭一はその家を訪ねてみるが…
『このまま放っておけば沙都子は確実に壊れてしまう…だから、俺は決心したんだ…』
…教室で突如暴れだした沙都子の姿を見て、魅音たち部活メンバー一同は心を痛めながらも結局何も打開策を見つけることができない。
しかしこのままでは叔父の虐待によって沙都子の精神が破壊されてしまうのは時間の問題でしかない。
追い詰められた圭一はついに、ある決断を下す…。
『死体…上手に埋められた?…』
…沙都子の叔父殺害決行の夜、鷹野の車で家まで送ってもらった圭一は、何かを知っているかのような鷹野の口調に不審な印象を抱く。
そして次の日登校すると、周囲の生徒たちは「昨晩、 圭一が綿流しの祭に参加していた」と口を揃えて言う。
そんなことはありえるはずがないのに…!
何が何だかわからなくなった圭一は、入江に相談をするが…。
『わからない!わからないけど俺が念じると本当に死んじまうんだ!!』
…沙都子の叔父をこの手で殺したのは幻だったのか?
…圭一は真実を確かめるため、北条家へ向かう。
そこには一晩中浴槽に浸かって意識朦朧とした沙都子の姿があった。
慌てて助け出し、入江診療所へ連れて行く圭一。
ところが診療所はパトカーに囲まれていて…
『赤坂が何をしてもしなくても、ダム計画は今年で終わりになってしまうのです…もう決まっていることなのですよ…』
…昭和53年6月。
時の建設大臣の孫が何者かによって誘拐され、東京の公安調査庁から一人の新米調査官・赤坂が雛見沢へ派遣された。
赤坂はそこで、一人の不思議な少女・梨花と出会う。
そして現地のベテラン刑事・大石の協力を得て 調査を進めるが、一見どこにでもある長閑な村に見えた雛見沢の"深部"が見えてくるにつれ、事件は意外な展開に…。
『この事件、もしかすると 私達が考えてる以上のチカラが…いや、組織が動いているのかもしれませんよ…』
…誘拐された少年の手がかりが見つかった。
その都合の良さに胡散臭いものを感じながらも救出に向かう赤坂と大石。
大立ち回りの末、救出に成功した二人だったが、犯人は取り逃がし、赤坂も銃で撃たれ負傷してしまう。
そして事件の解決を待っていたかのように雛見沢ダム計画は凍結され、同時に反ダム闘争も終結を迎えた。
だがそのウラには…
『ふーん、悟史くん…っていうんだ……』
…昭和57年。
全寮制の学園から抜け出してきた一人の少女が雛見沢近辺へ帰ってきた。
少女の名前は園崎詩音、園崎本家当主の孫娘の一人である。
一度は本家から追いやられた身ゆえ、輿宮で身を潜めて生活する詩音だったが、ある日不良に絡まれたところを通りすがりの少年に助けられる。
果たしてそれは運命の出会いだったのか…
『私は北条悟史くんが大好きです!彼のことが大好きです!それっていけないこと!人が人を好きになるのに何か理由が必要っ!?』
…叔父夫婦からの虐待は続き、次第に追い詰められていく悟史。
綿流し祭の前日、その悟史から園崎家へ連絡が入る。
「自分は綿流しに行けないから、沙都子を連れてやってほしい」
…そして祭の夜、北条家の叔母が何者かに殺された。
警察の事情聴取を受け、そしてそのまま園崎本家に「連行」される詩音。
そこには当主お魎を始めとする一族が彼女を待ち構えていたのだった…。
『そして私は、そのとき悟史くんへの思いも封印した…心の奥深くへと…』
…悟史が突然いなくなった。
自分は「ケジメ」をつけたはずなのに、それなのに悟史は"鬼隠し"に遭ってしまった…
納得の行かない詩音は、事件の真相を求めて魅音を問い質す。
園崎本家の関わりを否定する魅音…
その右手には、詩音と同じ、爪を剥した傷跡があった。
それを見て魅音を信じようと決める詩音。
そして1年が経ち……詩音に二度目の出会いが訪れる。
『悟史くんの無念はきっと私が晴らすから…私は…悟史くんみたいに殺されないから!』
…ついに連続怪死事件の「5年目」も起こってしまった。
園崎本家で、お魎と魅音が富竹と鷹野の死について密談しているのを目撃してしまった詩音。
だが次期当主として冷たく迫る魅音に追い詰められ、反撃に出る。
「事件の真相を暴いて、悟史の仇を討ちたい」
その一心で大胆不敵な行動に出る詩音だったが、事態は次第に深刻さを増し…
『上等じゃん!ぶちまけられてえかぁ!?』
…園崎家を"乗っ取った"詩音は、公由村長を呼び出し、悟史の失踪について問い質す。
悟史を「鬼隠し」にしたのはお魎の差し金だという村長の意見に、「真相」を確信する詩音。
惨劇のウラ側で、孤独な「鬼」による復讐劇が、いま、幕を開ける…。